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目的で活動している施設に対して芸術文化関係はどういうかかわりを持っていけるかのアプローチをしたいと思います。
この観点から見ますと、それらの資源が地域に存在するかしないかという問題が出てくるかと思います。設置目的を達成するために、例えば「芸術文化の鑑賞の場の提供」といったときに、作品をつくる人たちがそこの地域に存在するのかという問題がある。ない場合はどうしたらいいのか、いる場合も含めてそのかかわりをどうしていくかという問題が出てくるかと思います。次に、地域社会の中に公立文化施設以外でさまざまな文化団体も含めて同じような目的を持って活動している組織が存在するかどうか。これは多分かなりの割合でいるではないか。あとで言いますけれどもハイデマンダー、高い要求を持った人たち、そういう人たちがいるかどうか。ない場合の地域外とのかかわりをどうしていくか。芸術文化とのかかわりの有り方によって文化施設の事業目的を達成するプランニングが変っていくのだろうと思います。芸術文化の鑑賞の場のための提供、これがマルチアンサーでは高いところに出るのですが、シングルになると19.9%に下がってしまう。文化施設の主目的がどちらかというと地域のアマチュアを中心とする活動に場を提供していくのだということに重点があり、地域の団体の活動は鑑賞機会の提供であると考えていない。それでシングルアンサーではこれだけの落差の3番と逆転してしまうと思います。目的3との関係でこの問題を考えると、地域の市民団体、芸術家、芸術団体の活動はどのぐらいあるのか、これを文化施設がきちっと把握しているかどうか。さらに、6番のアーチストの育成の問題とのかかわりを見ますと、ここがきちっと育てば、例えば地域にちゃんとしたプロフェッショナルのかなりの質のものがいるという環境がつくれるわけですね。
目的1と3とは非常に密接な関係があって、それを考えていただいた方がいいだろうし、今は、鑑賞は主に東京から連れてくるということが発想の中心になっているから、目的1と3のギャップが出てくるのであろうというふうに考えることもできるかと思います。
次に地域のマニア。これは文化団体、鑑賞団体、ハイデマンダーの活動ですね。こういう人たちが多分いる、その人たちとのネットワーク、地域の芸術文化団体との関係がどうつくられているか。あるいはその地域のハイデマンダー、これは1人でもかなりの力を発揮すると思います。1人ある芝居を好きな人間がいたときに、自主事業として何かを呼ぼうとしたときに、その人たちとの関係をいかにつくれるか。多分物を見るときの価値判断というのは、かなりの部分が口コミが左右する。例えばチラシを見ても、これは何であるかということをわかる人がいいよと勧めることによって人が動く。多分チラシを見て何だ

 

 

 

 

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